【書評】質的イノベーション時代の思考力 科学技術と社会をつなぐデザインとは

かばおです。

現状を改善できないか日々考えています。

本記事では勁草出版、田浦俊春著、「質的イノベーション時代の思考力 科学技術と社会をつなぐデザインとは」を読んで得られたことを記載しています。

【内容】
これまで生産性の向上により、量的イノベーションを達成することで、利便性の向上が図られてきました。(良質な電化製品が廉価で入手できるなど。)
これからは社会の質的な変化を行う質的イノベーションが必要になってきます。(携帯音楽プレーヤーが音楽を楽しめる場所を拡張したような。)
このような社会で必要となるデザイン力について、本書で示されています。
【これまでの考えと異なる点】
デザインを行う出発点が従来の考え方と異なっています。
問題ありきで解決策を考えるのが一般的ですが、そこから生まれるデザインは量的なイノベーションであり、質的なイノベーションは生まれにくいと主張されています。
ではどうするかというと、直感力に従い、生み出された技術や知識を現実に実装することでどういった問題が解決できるかを考えます。これまでとは逆の流れです。
【本書のポイント】
ゼロから何かを生み出すのではなく、直感に従い、既存の技術や知識と場を組み合わせることがポイントとなります。
そのために必要な能力は直感、シンセシス、仮設。
また、質的イノベーション時代においては、工学、人文・社会、芸術の融合領域における人材が必要となってくるようです。
【どうやって有効だと検証した?】
有効性を確かめるために著者がデザインスクールを開催しています。その結果、従来の手法では得られないような発想が確認されています。
(カンガルー×車椅子etc)
【考えたこと】
既存のモノを組み合わせることは、人工知能ができるようになるかなと感じました。その組み合わせた結果を人間が見て、社会の問題を解決できるか取捨選択する、使えそうなものがあれば、仮想空間で検証して、現実に実装する。とても効率的な未来が想像されます。
かばおの考えでは、直感力よりも、パズルのピースを当てはめるような能力が今後は必要になるのではないかと感じました。
スティーブ・ジョブズが起こしたような、質的イノベーションに興味がある方は、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

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