【書評】日本の納税者

かばおです。

現状を改善できないか日々考えています。

所得税や消費税、ガソリン税、酒税etc。。。生活をしていたら必ず納税を行っています。しかし日常で納税している感覚は全くありません。ビールを飲んで「この一缶で○○円おさめた」とは思いませんもんね。

そこで納税者としての心構えを学ぶために本書を読んでみました。

日本では納税が義務となっています。これは憲法で規定されています。このことに今まで疑問を抱くことはありませんでしたが、主権者が天皇から国民に変わった段階で、「義務」を課されることはなくなったはずでした。しかしながら当時の財務省や政府の働きにより、憲法に「納税の義務」が記載されることになりました。

言われてみると、主権者なのに「義務」が課されるというのは違和感がありますね。

納税が義務となったことにより、税制はお上が決め、税金は義務としてお上に奪われるもの、という戦後税制の不幸が始まりました。

こうなると効率的に税を納めるシステムが必要となります。そこで生まれた代表的なものが、源泉徴収と年末調整というシステムです。日本人の大半はサラリーマンです。サラリーマンは会社が源泉徴収と年末調整を行ってくれることで、自動的に所得税を納税します。サラリーマンからすると確定申告をしなくてよく、国からするととりっぱぐれのない、WinWinのシステムにみえます。

しかし、このシステムが日本人の税に対する理解を希薄にした原因となります。

自分で確定申告を行えば所得税はいくらか計算すると思いますし、控除となる仕組みも理解しようと努めるはずです。それこそ必死にやると思います。

それを会社がすべて代行してくれるので、なんとなく所得税高いなーぐらいにしか思いません。

さすが官僚が英知を絞ったシステムだなーと妙に感心してしまいました。

税金は貧富の格差をなくすために必要不可欠なシステムです。なので納税はしっかり行う必要があります。しかしなんとなく納税しているだけでは、単純な減税施策に目を奪われて本質的なことを見落としがちになります。時には増税が必要なこともあります。それが必要な人に還元されるのかを見極めることが納税者には求めれてるのだと感じました。

本書に記載されていた以下文章を心にとめて、主権者としての意識で納税していきたいと思います。

社会の税は「資本主義の欠陥(格差拡大)を是正し、民主主義を維持・発展させるための対価」でなければならい。

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